そういやあの日も雨だった

 小学生の時、ファイナルファンタジー6の最新作を発売日に買った。あのころスーパーファミコンのカセットはとても高かった。11800円とかしたんじゃなかったろうか。お兄ちゃんとワリカンではあったけども、やっぱり大きな出費であることには変わりない。
 いまいち天気のぐずつく中、午前中のうちにチャリンコでお店へひとっ走りし、リビングのテレビで、お兄ちゃんとそいつをスタートさせた。もうすぐお昼よ、と言われたけど、画面の中の吹雪、その荒涼とした風景の中を黙々と歩くメカ。私はそれを横で見ていただけだったけど(妹というのはあらゆる遊技において優先権を持っていない、自分でプレイできるようになるのは当日のせいぜい夕方近くなってからだ)、今その時は、お昼よりその画面の方がだいじだった。


 今日は朝食を食べた後、ゆったりした服に着替え、掃除と洗い物をし、お店が開く頃に出かけて『1Q84』を買ってきた。ついでにお昼と、お供のお茶の準備も。今日は寒いからミルクティーにしてもいいな。
 こういうスタートの準備をしていると、なんか図体ばっかりでかくなったけど、気持ちはあんまり変わってないなあ、あのスーパーファミコンの頃と。なんて思った。