Pat Metheny Group@Blue Note Tokyo

 行ってきました。すごくよかったー。ギターの音がうつくしかった。ピアノソロはため息が出るほど端正だった。
http://www.bluenote.co.jp/jp/schedule/detail.php?id=238


 ライルさんがピアノを弾きながら右足で拍どおりにリズムをとっていた一方、ベースのロドビーさんのゆれ方がゆったりしていて気になったので、しばらく観察していました。理解しようと一緒に体をゆらしてみたものの、最初はなかなかぴんとこなかったり…。1曲終わる頃に、2拍4拍のさらに裏で首を振ってるんだということにようやく気づきました。(必ずそうしているわけではなく、曲によっては普通に拍をカウントしている場面もありましたけども)
 ちょっと不思議に感じたんですけど、そのタイミングでゆらゆらしながら演奏を聴いてると、しだいに音の見え方が違ってきて、それぞれの楽器のリズムが緻密に、立体的に組み合わさっているんだなーというのがくっきり伝わってくるようになりました。ロドビーさんにはこういう風にリズムが見えているのか、とちょっとした疑似体験。音楽には詳しくありませんが、こういうささやかなことでも、自分で気づけたというのは大事にしていこうかなと思ったり。


 …というような頭の使い方をできたのは最初の2〜3曲で、あとはもうひたすら音を聴いているだけでしたけども。どうやってもステージにしか意識を向けられないような状態。数百人?の人間の集中と、4人の演奏への集中があいまって、会場の空気がぐっと濃くキープされる。演奏が終わって、拍手とたくさんの笑顔で空気がすこしだけゆるむ。ゆるみ切る前に、メセニーさんが次の曲の合図を出す…。演奏の音自体がもちろんいちばん素晴らしかったのだけど、この緩急の中に身を置く快感がまた、ひときわ濃いライブだったように思います。ホールみたいな大きな会場で聴いてもきっとすごいんだろうけど、あの限られた会場の中で聴くと、空気の濃度が半端でない。
 色彩ゆたかで温かな雨に打たれ続けるような、大変心地良い空間でした。行く前は自分にはもったいないんじゃないかと思いましたが、行ってよかった。いい音楽に生で触れる機会はこれからも積極的に作っていきたいです。
 そうそう、メセニーさんがお客さんとメンバーに向ける笑顔も、毎度とてもチャーミングでした。