℃-ute Cutie Circuit 2009〜9月10日は℃-uteの日〜

 色々評判は聞いていましたが、これは本当に神イベだ。歴史を振り返るための、かつ、今その時の全力をほとばしらせるための、「これが℃-uteだ!」を見せつけるライブ。
 梅さん卒業を1ヶ月半後に控えた2009年9月10日。まだ卒業の感傷よりラストスパートの勢いがいっぱいに詰まっている、そんな一瞬の炎のゆらぎを切り取った2時間でした。愛を感じた。

前半戦

 まさかの「行くZYX! FLY HIGH」からスタート。ちょうど6人ということと、梅さん舞美(+めぐ)のメジャーデビュー曲であることからのチョイスだろう。しょっぱなのせいか、持ち歌でないせいか、メンバーが乗り切っていない場面もちらほら。まだパフォーマンスの魅力より、意外性の比重が高い1曲目。続く「美少女心理」で少しずつエンジンが暖まってくる。
 MCをはさんで2ndアルバムのコーナー。中島萩原の「ディスコクイーン」、鈴木の「通学ベクトル」、矢島の「夏DOKIリップスティック」と、個人的にベストツアーだと思う「ゴールデン初デート」を思わせる流れ。舞美さんが原曲キーで歌えていることに成長を感じる。
 ここで梅さんが1人で登場し、昔話を始める。℃-ute結成時から「℃-ute会議」なるものを開いていたこと。バスで事前に席を決めない、こしょこしょ話をしない、等々。会議を仕切っていたのは年長組の自分と舞美とめぐ(ここで観客から「おぉー」と声が上がる)。ここで梅さんはさりげなく、今日は去ったメンバーの話をしていい日なんだ、と教えてくれている。
 岡井ちゃんが合流して、2人で「僕らの輝き」へ。本来なら3人の曲だが…と思っていると、梅さんが「栞菜パートは2人でも歌いますが、皆さんもぜひ歌って下さい」と促す。やはり今日という日の空間には、去ったメンバーもまた、含まれている。それをもてなすホスト役が梅さんなのだ。会場の温度がじわりと上がる。

コント

 コントコーナーは手短に。中禅寺ナキ子のコーナーはなっきぃよくがんばりました。マル。
 ℃-uteの日定番、DJマイマイ、MCチッサー&MCカッパーのコーナーは、2008年から年代を遡っていくという趣向。DEF.DIVAGAM、スペジェネを1コーラス歌い、他に出だしだけ歌う曲も数曲と、例年以上に盛りだくさん。石川さんパートを歌うなっきぃや美脚ユニットやじうめGAMなど、ちょこっと芸の域をこえて楽しめました。

後半戦

 「まっさらブルージーンズ」「即 抱きしめて」「大きな愛でもてなして」とインディーズ時代の曲をリリース順に。コントで時代を遡ったという設定の後に、またユニットの歴史を最初から追っていくというこの流れは、なかなかうまいものだと思った。
 みんなあれから大きくなったねえ、と感慨にふけっていると、短いMCを挟んで時間は一気に跳ぶ。今年のアルバムから「★憧れ My STAR★」。「今」の℃-uteらしいかっこよさをびしびしと放つ一曲。やはり時間を経ただけの積み重ねがあるということを、こういうセットリストならわからせることができるのだ。また感心させられる。メンバーはその後も、「涙の色」「都会っ子 純情」と激しく踊り続ける。エネルギーをあますことなく燃焼させる。
 本編ラストは「忘れたくない夏」。「帰りたくない 夏の夜…」という始まりの歌詞は、いつでもファンに、残る時間の惜しさを感じさせてくれる。

アンコール

 スローな「約束は特にしないわ」と、盛り上がる「JUMP」で対照的に。
 最後のMCは、梅さん→舞美の流れがほんとうに素晴らしい。「自分にとってはこれが最後の℃-uteの日だけど、これからも9月10日は特別な日。皆さんもそうであってほしい」と語る梅さん。それを受けた舞美さんが、一語一語をかみしめるように伝える。そしてめぐや栞菜を迎え入れる役も、ここで梅さんから舞美へ引き継がれる。
 「3年前は8人だったけど、今は6人。めぐと栞菜がいなくなり、一月半後にはえりも去っていく。それはいつでも寂しいことだけど、みんな自分の考えや目標があってその道を選んだのだし、私たちもそれを応援している。えりがモデルになる日を待っている。そして人数が減ったからパワーダウンしたとか面白くなくなったとか言われないよう、3人に笑われないよう、私たちもこれから頑張っていく。応援よろしくお願いします」
 ファンでいる間、思い通りになることばかりではなかったけれど、ここぞという時のリーダーの言葉はいつも、信じてくれ、と訴えている。それを聞くと、やはり離れがたい気持ちになる。


 「℃-uteが初めてもらったオリジナル曲です。この6人で通して歌うのは最後になります。みなさんの目に焼き付けてください。わっきゃない(Z)!」
 ツアーではタップやメドレーなどに組み込まれて長らく封印されていた、オリジナルの振付でのパフォーマンス。目を潤ませながらも、鮮やかに演じきった6人が、確かに心に焼き付きました。