The Beach Boys『Smiley Smile』

スマイリー・スマイル

スマイリー・スマイル

 このとっちらかった感、なんだか私はどこかで知っているぞ。初めて聴いたけど。
 実験的ではあるし、ちょっと投げやりな作りになっているような部分もあるけど(アルバムができた経緯をどうしても思い出してしまうからだろうか)、でもちぐはぐに感じる部分は意外とない。どんなに不思議な展開も、つなぎ目はきれいに、わからないくらいに修復されている。才能と、偏執的な情熱が生み出す力。すごいなー。
 "Good Vibrations"が名曲だということに異論はないけど(こんなに必然性のあるテルミンの使い方はなかなかないような気がする)、"Wonderful"が一番のお気に入りです。閉じられた作り、コーラスワークやオルガンの音、まるで聖歌のように聞こえますが、それをさらに客観視するような笑い声…あー、頭がこんがらがってきた。