℃-ute『Danceでバコーン!』

Danceでバコーン!(初回生産限定盤A)(DVD付)

Danceでバコーン!(初回生産限定盤A)(DVD付)

 初回版Aを購入。アレンジャーは鈴木俊介氏。
 ちゃんとした音源で聴いて、振付も見て、結局これを支持することにしました。
 改めて思ったのだけれど、これは「℃-uteの曲」というよりは「舞美さんのための曲」なんだと。『まっさらブルージーンズ』、『夏DOKI リップスティック』の継承路線。基本的に過剰で激しくておバカで、暑苦しいけどスカッとしている。歌詞を深く考える必要はない。


 舞美さんの歌える歌というのはあまり幅がないし、ダンスもすごいけれどスポーティーすぎて艶っぽさがない。そういうのはマイナス面にもとらえられるけれど、足りない部分ではなく、突出した所に目を向ける。その手持ちのカードをきちんと使う。すると、今回みたいに、「当たり障りのない」、ではないものができる。だから、「悪くないかも」とかいう声はあまり目立たず、「可」と言う人と「不可」と言う人にパッキリ分かれるだろう。そういう曲。
 一方、愛理ちゃんは手持ちのカードが多い恵まれた子だ。だから彼女に合わせようとすると焦点がぼけてしまうのかもしれない。℃-uteにはそういうシングル曲が少なからずある(と、私は感じる)。Buono! の彼女が評価されるのは、コンセプトが先に決まっていた方が活きるタイプだからだ。


 カップリング『これ以上 嫌われたくないの』は、『美少女心理』とか好きな層が好きなんだろうなーという感じの曲。モーニング娘。の没曲か、というのが第一印象。
 私はそういうべったりした雰囲気の曲ってたいてい嫌いなんだけど、今回はOKだった。メロディーの譜割りが面白いのと、Aメロ→サビ→大サビという展開がちょっと変わった味付けに感じたので。アレンジャーは平田祥一郎氏で、氏の作品としてはちょっとひどい出来だけど、多分発注側の責任。金か時間かその両方か。
 歌詞は、主人公が振られたにもかかわらず、よりを戻したいとかでなく、「これ以上嫌われたくない」という気持ちを発するというもの。そのへんのさじ加減がうまく、一貫性もあり、そこそこ興味深い出来でした。